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信長の野望と小説(8) [歴史小説とゲーム]

今、自分の中で関ヶ原前夜の毛利家がアツいです。キーワードは「歴史は繰り返す」です。

関ヶ原の東軍と西軍の戦力は、現在では東軍の8万8千と西軍の8万3千と東軍が若干優勢と言われていますが、これは両軍の関ヶ原の戦いの主役の石高、家康250万石対三成19万石との約13倍もの絶対的な差を考えれば、これは西軍がここまで兵力を集めることができたのは驚異的であると言えます。

この手品のネタはズバリ5大老第2位の毛利家の存在です。
いくら敏腕の三成が敏腕でも然るべき存在がなければ、一所懸命の武士の支持を得られません。
なにしろ、文禄・慶長の戦いでは武威を示し、毛利140万石ともいわれる大勢力です。
秀吉亡き後の天下を取りうる存在と目されてもおかしくないのです。

ただし、このころの毛利家の内実は、俗にいうジリ貧の「はりこの虎」なのです。
秀吉の養子戦略で毛利両川のうち、小早川家の所領は豊臣に奪われ、決定的なのはほぼ自腹で
文禄・慶長の戦いに駆り出されたことです。朝鮮半島に近い毛利家は直接的な兵力の以外にも運輸・補給面の負荷を考えると、その負担は想像に絶します。当然恨みを持つ毛利一族もいます。
しかし、いつの時代でも同じように毛利家の中でも世渡りが巧みな者は上手く立ち回り利益を得ます。
前者が吉川広家であり、後者が安国寺恵瓊です。

この時代での対豊臣政権へのアプローチの差が関ヶ原の戦いにつながります。
(反豊臣・近徳川:吉川広家、親豊臣・反徳川:安国寺恵瓊。ちなみに毛利輝元は両天秤です。)

この辺の事情は、以下の著書に興味深く描かれていますので、一読をお勧めします。
火坂雅志著「墨染の鎧」







中路啓太著「うつけの采配」








岩井三四二著「とまどい関ヶ原収録の”百尺竿頭に立つ、すべては狂言」




結果として、毛利家はご存知の通り家名は残ったものの140万石から40万石という大減俸になり、
また、その後、江戸時代を通じて仮想敵として幕府の手伝い普請など苦役を受けさせられます。
いわゆるドカ貧です。

歴史は繰り返すともいわれますが、この毛利家に戦前と戦後の日本を重ねるのは僕だけでしょうか?


◇追記
11月30日発売の信長の野望大志では、従来までのシリーズでは「知略」が外交能力を表していましたが,知略は戦いにも影響するもので,外交に強い僧などの表現が難しくなっていました。
そのため,今作では新しい能力として「外政」という概念が導入されています。
プレイヤーは、安国寺恵瓊の卓越した外政力を活用して毛利家を天下の道へ導くことができるのでしょうか?





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