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「殿さま狸 著:箕輪 諒」について(3) [歴史小説]

「殿さま狸 著:箕輪 諒」の名場面をひとつ、紹介したいと思います。

殿さま狸 [ 簑輪諒 ]



◆「ベンチャー大名」 蜂須賀 家政
昔から、地場産業を「どげんかせんといかん」と思っていた政治家はいたようです。
蜂須賀 家政もそう思っていたはずです!!
もちろんで、TVで地鶏やマンゴーの売り込みをしていたわけではありませんよ。
もっと、アグレッシブに、阿波名物として売り出そうとしている阿波藍の効果的なPRを行動で表しています。
それは、戦場での軍事行動の軍装でです。
場所は、秀吉の小田原征伐のひとコマである韮山城の包囲戦。
包囲網の一角で千流以上の旗がはためかせている。その旗は見事な藍色に染め抜かれている。
その様は、まるでその一角だけが藍色に染め抜かれている軍容で、数多の大名の中で特に異様を見せている。この蜂須賀家の軍容は、世に「阿波の黒鴨」と称されるほど有名になります。
これも見方を変えれば、一種の軍需産業のようなものであるかもしれません。
率直にいって実にうまいアイデアだと思います。なぜなら、局所に集中的に集まる大合戦ほど、良いPRの機会はないからです。
大名やその御用商人など、その当時の主要購買層へのダイレクト営業です。国元に帰った大名から国元の武士、商人、豪農へと阿波藍の噂が伝わってゆくわけです。


◇戦国時代の繊維事情
同著にあるとおり、相次ぐ戦乱で生産が急増している火縄銃の火縄の原材料である木綿が秀吉の天下統一のもと、
供給が過剰になりつつあるため、商人は軍用の火縄から、民用の衣類に転用されつつある。
今までは、麻が衣類用の繊維のメインでしたが、頑丈で風通しがいい反面、冬に寒いというデメリットがありました。代わって転用されつつある木綿は、肌触りが良く防寒性に優れており、染料に染まりやすいというより優良な点があり、広がりを見せつつあったからです。
なんか繊維つながりで、第二次世界大戦でパラーシュートから、人工繊維-ナイロン-が衣類に転用されたことが、想起されますね。

まさに、時代を先取りするベンチャー大名 蜂須賀 家政の面目躍如です。
普通の大名なら、木綿の値下がり・広がりをみれば、火縄銃の配備充実の好機であると、小躍りするでしょう。
しかし、蜂須賀 家政は、木綿の値下がり・広がりを見て阿波藍の売れあがりを見据え、小躍りするわけです。

いや、この場合は阿波だけに阿波踊りでしょうか? 我ながら、うまいこと言ったかも。(ドヤ顔する男がここに、ひとり発見される!?)

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タグ:蜂須賀家政
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